デヴィル・イン・ヒズ・ハート/ドネイズ(Devil in His Heart/The Donays)

デヴィル・イン・ヒズ・ハート/ドネイズ(Devil in His Heart/The Donays)


デヴィル・イン・ヒズ・ハート(Devil in His Heart)は、アメリカ・デトロイトのソングライター、リチャード・ドラプキン作。デトロイト出身のガールズグループ、ドネイズ(The Donays)のデビューシングルです。

深くエコーが効いたドラムに、シンプルなベース、淡々とリズムを刻むピアノに、ループする印象的なギターのリフ。

「彼の心には悪魔が棲んでいるよ」という友人の忠告(心の声?)と甘酸っぱい葛藤が交差する、ティーンズ・ポップス王道の歌詞を、みずみずしく伸びのあるリードボーカル「イボンヌ」の歌唱力がすばらしい。

初期のモータウン・サウンドを連想させる、シンプルながら洗練されたな演奏は、モータウンのハウスバンド「ザ・ファンク・ブラザーズ」によるもの。ソングプロデュースもノンクレジットですがモータウンと関係の深い「ポップコーン」ことリチャード・ワイリー

デトロイトのローカルレーベル、コレクトーン(Correc-Tone)から「バッド・ボーイ(bad boy)」とのカップリング※1でレコーディングされ、1962年8月ニューヨークのブレント・レコード(Brent Records)、イギリスのオリオール・レコード(Oriole Records)からリリースされるも、ヒットチャートに入ることはありませんでした。

アメリカで無名に終わったドネイズ版「デヴィル・イン・ヒズ・ハート」。このレアなシングルを偶然手にしたのが、海を挟んだイギリス・リバプールにて「隠れた名曲をバンドのレパートリーに」と探していたビートルズのジョージ・ハリスン。

曲の中の主人公を女の子から男の子に変更し(His → Her)記録的なミリオンセラーアルバムにカバーチューン※2として収録されることになります。


※1 このシングル・レコードには「A面 B面」の表記はなく、リリース当時「デヴィル・イン・ヒズ・ハート」よりも「バッド・ボーイ」の方をA面という形でラジオでよくかけたようですが、結局ビルボードのチャートには入りませんでした。

また、1963年モータウン・レーベルからリリースされた「デヴィル・イン・ヒズ・ハート(Devil in His Heart)」はドネイズ盤とは、同名異曲。

デトロイトの女性シンガー、キャロライン・クロフォード(Carolyn Crawford)がシングル・レコード「フォーゲット・アバウト・ミー(Forget About Me)」のB面としてリリース。ハンドクラッピングと豪華なホーンが、モータウン・サウンドの王道といったポップな曲ですが、こちらもチャートインしませんでした。

※2 「デヴィル・イン・ハー・ハート(Devil in Her Heart)」ウィズ・ザ・ビートルズ(With The Beatles)収録


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