ブルー・スウェード・シューズ/カール・パーキンス(Blue suede shoes/Carl Perkins)

ブルー・スウェード・シューズ/カール・パーキンス(Blue suede shoes/Carl Perkins)


俺を殴っても、俺の悪口を言いふらしてもいい。ここに書けないようなあんなことやこんなことをしてもいい。何をしてもいいが、俺のブルーのスエードシューズは踏んじゃいけないぜ。


というハンサムな歌詞は、ロカビリーのスタンダード「ブルー・スウェード・シューズ(Blue suede shoes)」からの一節。

オリジナルバージョンは「キング・オブ・ロカビリー」カール・パーキンス(Carl Perkins)が、1956年サン・レコードからリリースしたシングルレコードです。(カール・パーキンス作、サム・フィリップス プロデュースで、1955年12月19日メンフィス・サン・スタジオにてレコーディング。「ハニー・ドント(Honey Don’t)」とのカップリングで1956年1月1日発売※1

リズム&ブルースチャートに初めてチャートインした(白人による)カントリー&ウエスタンとしても知られ(カントリー&ウエスタン1位、ポップ2位、R&B2位)、同年9月8日に、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)がRCAレコードよりカバー・バージョンをリリースしたことで「ロックンロール・クラシック」として歴史に刻まれた名作です。


息のあったパーキンス・ブラザースの演奏にブラックフィーリングあふれるカール・パーキンスのボーカルは「ホワイトブルース」といった、ジャンルを超え愛されたサウンド。爆発するエルヴィス・バージョンともまた違った味わいがあります。

レーベルの同僚で友人だったエルヴィスはこの曲「ブルー・スウェード・シューズ」を気に入り「カール・パーキンスのバージョンがチャートに入っている間はカバーを出さない」という条件(契約)で、ステージやTVショウでレパートリーとして歌っていました。

しかし、1956年3月22日、NBCテレビ・ペリーコモ・ショウ出演のためニューヨークに向かったカール・パーキンスと彼のブラザーズバンドを乗せた車は、途中ピックアップトラックと衝突。トラックの運転手は死亡。ドラムのW.S. ホランドとギタリストのジェイ(カールの兄)は首の骨を折る重傷。カール・パーキンスは丸1日意識不明のままだったようです。

病室でカールはエルヴィスがTVショウで歌うブルー・スウェード・シューズを聴いたと言われています(4月3日出演のミルトン・バール・ショーでしょうか)。

同年9月8日、エルヴィス・プレスリーはRCAレコードから、ブルー・スウェード・シューズのカバーバージョンをリリース(B面はトゥッティ・フルッティ)。エルヴィス・バンドのギタリスト、スコッティ・ムーア(Scotty Moore)によると、カール・パーキンスの事故後、援助のためにブルー・スウェード・シューズを録音したようで、ちょうどチャートから外れた後、エルヴィスバージョンはビルボードのベストセラーチャート20位を記録。(印税の面で)助けになったともいわれています。



さてカール・パーキンスをアイドルとして敬愛していたビートルズ。クオリーメン(Quarrymen)時代からのレパートリーでもあった「ブルー・スウェード・シューズ」のレコーディング記録は意外と残っておらず、(オリジナルアルバムへの収録曲は、ヒットしたA面ではなく、B面の「ハニー・ドント」を選ぶところがビートルズらしい)後期レット・イット・ビー・セッションでの「リップ・イット・アップ」からのメドレーで聞くことができます※2

解散後ポールはよく好んでこの曲をライブで演奏しており、ジョージ、リンゴは1985年のカール・パーキンスのセッションで本家と競演。

なかでも、1969年当時、ビートルズから脱出したくてしょうがないジョンが結成した「プラスティック・オノ・バンド(Plastic Ono Band)」のお披露目として演奏されたのが、このブルー・スウェード・シューズ※3

1969年6月1日に「平和を我等に」をプラスティック・オノ・バンド名義でリリースしたジョンは、1969年9月13日カナダの屋外イベント「トロント・ロックン・ロール・リバイバル・コンサート(Toronto Rock and Roll Revival)」に出演。メンバーはジョン・レノン(John Lennon)、ヨーコ・オノ(Yoko Ono)に加え、ギターにエリック・クラプトン(Eric Clapton)、ベーシストにクラウス・フォアマン(Klaus Voormann)、ドラマーにアラン・ホワイト(Alan White)。

ベースのクラウス・フォアマンによると「ジョンはとにかく急いでいた。集まったばかりのメンバーは、飛行機の中での曲の打ち合わせをしてステージに向かった」というオープニング曲「ブルー・スウェード・シューズ」は、何とも言えない緊張感が印象的です。



※1 Blue suede shoes/Carl Perkins

B-side Honey Don’t/Released January 1,1956Recorded December 19,1955
Writer Carl Perkins/Producer Sam Phillips/Label Sun Records, Sun 234

Carl Perkins(v,g)
Jay Perkins(g)
Clayton Perkins(b)
W.S.”Fluke”Holland(ds)

※2 ザ・ビートルズ・アンソロジー3(The Beatles’ Anthology 3)収録 メドレー : リップ・イット・アップ/シェイク・ラトル・アンド・ロール/ブルー・スェード・シューズ(Rip It Up /Shake, Rattle And Roll /Blue Suede Shoes )

※3 ライブアルバム「平和の祈りをこめて / プラスティック・オノ・バンド(Live Peace in Toronto 1969 / Plastic Ono Band)」1曲目に収録



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