アイ・ガット・ア・ウーマン/エルヴィス・プレスリー(I Got A Woman/Elvis Presley)

Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー登場!)

僕のあの娘は
街の外れに住んでるのさ※1
いい娘だよ

困った時には金をくれるし
本当に友達みたいなんだ

一日中そばにいて愛してくれる
文句を言わないし、焼きもちも焼かない
あの娘は僕にやさしい

僕のあの娘は
街の外れに住んでるのさ
いい娘だよ


オリジナルバージョンは、レイ・チャールズ(Ray Charles)が1954年にリリースしたソウルクラシック(原題 アイヴ・ガット・ア・ウーマン I’ve Got A Woman)※2

レイ・チャールズを敬愛していた、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)はデビュー当時から「アイ・ガット・ア・ウーマン」をライブレパートリーとして歌い、メンフィスのローカルレーベル「サン・レコード(Sun Records)」から大手「RCAレコード」へと移籍後、第1弾にレコーディングしたのがこの曲。

1956年3月23日リリースのファーストアルバムレコード「Elvis Presley(邦題 エルヴィス・プレスリー登場!)」のA面3曲目に収録されています(アルバム「Elvis Presley」は、ビルボードアルバムチャート10週連続1位を獲得)。

参加ミュージシャンは

  • エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)ヴォーカル、ギター、ピアノ
  • スコティ・ムーア(Scotty Moore)ギター
  • ビル・ブラック(Bill Black)ベース
  • D.J.フォンタナ(D.J.Fontana)ドラムス
  • フロイド・クレイマー(Floyd Cramer)ピアノ
  • ゴードン・ストッカー(Gordon Stoker)バッキングヴォーカル
  • ベン・スピア(Ben Speer)バッキングヴォーカル
  • ブロック・スピア(Brock Speer)バッキングヴォーカル


疾走感と高揚感がすばらしい「ザッツ・オールライト(That’s All Right)」タイプの名曲。

1度「ドン」とブレイクし、8分の6拍子系で終わる、いわゆる「エルヴィス・エンディング」では、それまであまり聞こえなかったピアノやコーラスも加わりゴージャスな仕上がりになっています。

後に「アイ・ガット・ア・ウーマン」をカヴァーしたミュージシャンたち、リッキー・ネルソン(Ricky Nelson)やエヴァリー・ブラザース(The Everly Brothers)、そして、ビートルズ(The Beatles)※3などのバージョンは明らかにエルヴィスバージョンの影響下にあり、それぞれの「エルヴィス・エンディング」にリスペクトを込めています。


※1 なぜかエルヴィスは「way over town」の歌詞を変え「way cross town」と歌っています。

「cross」の方が語呂がよかったのでしょうか。リッキー・ネルソン、エヴァリー・ブラザースのバージョンはレイ・チャールズにならって「way over town」と発音しているようですが、BBCセッションでのジョン・レノンは、エルヴィス版の「way cross town」と歌っています。(way cross townは「街の反対側」的な意味でしょうか。オリジナルの歌詞「way over town」を、映画「レイ(ray)」では「遠くの街」と訳しています)。


※2 アイヴ・ガット・ア・ウーマン I’ve Got A Woman

オリジナルバージョンは、レイ・チャールズ(Ray Charles)が、1954年アトランティックレーベル(Atlantic)から「カム・バック(Come Back)」とのカップリングでシングルレコード・リリース。ソングライティングは、レイ・チャールズと彼のバンドのトランぺッター、レナルド・リチャード(Renald Richard)によるもの。

ザ・サザントーンズ(the Southern Tones)が歌うゴスペル曲「イット・マスト・ビー・ジーザス(It Must Be Jesus)」をラジオで聞いたレイ・チャールズが、このゴスペルに加筆しリズム・アンド・ブルースに仕上げたとされ、「神の愛」を「彼女の愛」に言い換えたことで「悪魔の音楽」の烙印(らくいん)を押されるも、翌年1955年1月にはR&Bチャート1位に輝いたソウルミュージック・クラシック。


※3ビートルズ(The Beatles)バージョン

1963年6月16日、イギリスBBCでのセッション(同年8月13日に放送された)。リードボーカルは、ジョン・レノン(John Lennon)。ジョージ・ハリスン(George Harrison)は、スコティ・ムーアのギャロピング奏法にフラットピックで挑戦、荒削りでガレージ感が増し、初期のエネルギーが伝わる好バージョンです。ビートルズのアルバム「ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC(Live at the BBC)」の4曲目に収録されています。


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