アンナ/アーサー・アレキサンダー(Anna(Go to Him)/Arthur Alexander)

Anna(Go to Him)/Arthur Alexander


アンナ(Anna(Go to Him))は、アメリカ・アラバマ州出身のソウル(カントリー)シンガー、アーサー・アレキサンダー(Arthur Alexander)がリリースしたソウルバラード。

1962年9月17日にドット・レコード(Dot Records)よりシングル・レコードのA面※1として発売されました。(ポップチャート68位、R&Bチャート10位)

「彼と一緒に出ていく前に、指輪は置いていってくれ」という切実な歌詞は、アーサーの妻「アン」との結婚生活のトラブルについて書かれたもの。どこか素朴で哀愁のある歌唱法が魅力的です。

ハイハットのタイミングが印象的なドラムや、ピアノのメインフレーズがループしていく中ストリングスが入って盛り上がる曲調は、アーサー・アレキサンダーが敬愛するソウルシンガー、ベン E キング(Ben E King)の影響下にあるようです(サビ部分”All of my life〜”のベースのパターンは、まさに「スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)」を連想させます)。

演奏はナッシュビルの腕利きセッションミュージシャンによるもの。(ノンクレジットなので資料によってメンバーが異なりますが)「Night Train to Nashville」によると、ドラムはケネス(ケニー)・バトレー(Kenneth Buttrey)、ピアノはハーガス・”ピッグ”・ロビンス(Hargus “Pig” Robbins)ということで、その他にもチャーリー・マッコイ(Charlie McCoy)やアニタ・カー・シンガーズ(Anita Kerr Singers)など、エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)を支えたそうそうたるメンバーが揃っています※2


ビートルズの「Anna(Go to Him)」のカバー・バージョンは、デビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me)」に収録。そのボーカルスタイルやサウンドは「オール・アイブ・ガット・トゥー・ドゥー(All I’ve Got to Do)※3」「イン・マイ・ライフ(In My Life)※4」に受け継がれていきます。


※1 B面は、カントリー&ウエスタンのスタンダード「アイ・ハング・マイ・ヘッド・アンド・クライ(I Hang My Head And Cry)」。「歌うカウボーイ」ジーン・オートリー(Gene Autry)が1944年にリリースしたヒット曲(USカントリーチャート4位)をアーサー・アレキサンダーはテンポを落とし、スローシャッフルのリズム&ブルースにリメイクしています。

※2 「Revolution in the Head」によると「ピアノはフロイド・クレイマー(Floyd Cramer)が演奏している」となっていますが、こちらもエルビスと関係の深いミュージシャン。

※3 オール・アイブ・ガット・トゥー・ドゥー(All I’ve Got to Do) – ウィズ・ザ・ビートルズ(With The Beatles)収録

※4 イン・マイ・ライフ(In My Life) – ラバー・ソウル(Rubber Soul)収録


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